比較は疲れる

周囲から見れば充分成功し、恵まれた暮らしをしているのに、達成感を得られないでいる人は少なくない。

そうした人々は、同級生に比べて自分の地位や収入が見劣りするように感じたり、が人気テレビキャスターのように成功していないことに失望を感じたりする。そして、「自分は劣等生だ」「ダメ人間だ」とネガティブな思考に陥ってしまうことすらある。

これは、「ライバル症候群」とでも呼ぶべきものだ。そういう病気があるわけではないが、出会い系、ソーシャル・ネットワークの発達によって、個人の生活レベルの情報が公共の話題になることが増えるにつれ、そういった家出サイトに陥る人が増えている。

エネルギーを奪う比較
どんな人でも、自分の業績と他人の成功とを比較してしまうことはある。心理学者で、調査会社ギャラップのシニア・サイエンティスト、シェーン・ロペスは「優秀な他者の存在は本来、可能性を拡げ、ポジティブなエネルギーを与えてくれるものです」と言う。

「ただし、その人が他者と自分の比較から来るネガティブな思考に陥ってしまっていなければの話ですが」

キーとなるのは、その人が「自己参照型」の思考でいられるかどうかだという。自己参照型の人は自分を評価する際、他人との比較ではなく、自分の成果だけを問題にする。

「彼らは、非常に成功した人と自分を結びつけて考えたりしません。そうした人の活躍に勇気付けられることはあっても、その人を目指したり、ライバル視したりはしない。なぜなら、自分自身がライバルだからです」

具体的な目標を
ただし、「ライバル症候群」は、嫉妬や羨望とは微妙に違う。そうした症状を持つ人々の「不完全燃焼感」は、現実の自分と理想の自分、そして自分が理想とする他者とのギャップから生じると言う心理学者もいる。

彼らはギャップの埋めかたを知らないし、じつは埋められるとは思っていない場合が多い。そして問題は、そうした人々の目標が往々にして非常にぼんやりしたものだという点にある。到達点がはっきりしなければ、正当な自己評価を下すことが難しいのは当然なのだ。

ところで、自分自身以上に自分を知る人は、じつはすぐそばにいる。友人や家族、同僚などだ。耳の痛い評価もあるだろうが、そうした評価が「ライバル症候群」から抜け出すきっかけとなり、あなたの才能を伸ばすことに繋がるかもしれない。